伊勢祥延 の「Calendar Photoの追憶」8

チャリティーカレンダー2008年 inner sule  インナーソウル

タイトルはあのinner beauty インナービューティー(内面の美しさ)からヒントを得た。それなら内に秘める魂を写真で表現してやろう!そう思ったとき浮かんだのが [INNER SOUL ]だった。そしてそれは作品とみごとに合致した。

2007年版は、部数やページ数を考えると試作品と言ってもいい程度の物だったが、この年から本格的なひと月ごとのカレンダーとなり部数も格段に増やすこととなった。内要は以前より製作してみたいと思っていた、ポートレートのみの思い切った構成。
結果、オリジナリティーに富んだインパクトの強い作品群は、その後のカレンダーのイメージを決定付けたといってもいい。
作者以外に、製作デザイナーや発行人、そのほか大勢の人が意欲的に関わり生み落とされたその結晶とは、皆にとって新鮮な出来事であり、この成功が10年というひとつの時代を存続させる牽引となったと言えよう。私自身タイトルも含め一番気に入っている。

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さてこのカバーペジを飾る少女は、アフガニスタンからの難民。場所はイランのエスパハン郊外にあるイラン・イラク戦争で破壊された廃墟である。したがって家と呼べる様な建物では全くない。市街戦なのか空爆なのか天井や壁のない建物しかない死の区域。
9.11の後ぐらいで、当時隣国パキスタンやイランには膨大なアフガニスタン難民が流出していた。他国に逃れても行く所がない難民は、地元の人が見捨てた土地、そんな過酷な環境で暮らすしかないのである。
この少女はハザラ系といい日本人と同じモンゴリアンである。昭和の昔、私が子どもの頃よく見かけような近所の子ども達と全く変わらない。なのでハザラ系アフガニスタン人は個人的にとっても親近感を持つ。

逆にハザラとそっくりな日本人は、ここイランではアフガニスタン難民と間違えられいじめられる事もあるようだ。特に私の様な汚い服装のバックパーッカーは間違えられやすい。

ちなみに札幌のある老舗のギャラーリーで行なわれた写真100人展で、友人がこの写真を展示してくれた事がある。そこで行なわれた観覧者による人気投票で最優秀を得ている。

 

事務局員紹介 仏陀バンクプロジェクトリーダー 伊勢祥延(いせよしのぶ)

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