伊勢祥延 の「Calendar Photoの追憶」13

2008カレンダー Inner Soul 5月

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数えきれなほどの巨大なブルトーザーが通たかのような、何もかも破壊され平坦となったOn the grand 、あらゆる建造物が瓦礫と化した跡、跡、跡、、、。

スマトラ沖地震による津波被害のスリランカ、ここ東海岸トリンコマレー地区には、おそらく今世紀最大の規模であろう巨大津波が押し寄せ、壊滅的な被害をうけた。ラグーンに直撃した津波がジャンプし高さが最大30メートルにまでなったと言う。

さらにこの地域は少数派のタミール人が暮らし、イラーム解放の虎軍の影響を色濃く受け、長い内戦で崩壊した建物に津波が襲うという二重災害である。
そんな土地だけに外国人はほとんど訪れることがない。それは同時に援助の手も遅れやすく届きづらいという事を物語る。
この写真は無数にある難民キャンプのひとつ。50世帯で井戸が一つ、シャワー、洗濯もそこで行なわれていた。

不思議にそんな状況下なのに、人々は明るく笑顔が多い。生きる事に必死だからだろうか、、、。それとは対照的に、家族や財産を失い、または大怪我をしたり、絶望と喪失感に満ちた人たちがいる。これまで出会ったことが無いほどの、深い深い悲しみを眼孔の奥に宿し、僕の胸に突き刺さる、そんな人達と出会った、、。
そこに暮らす全員が、僅かの間に人生を大きく左右する激動の時間を過ごし共存している。しょせん僕は傍観者だ、同じにはなれない。しかしそばにいる事は出来る。そして伝える事も、、。

僕のとって、何か役に立つ事は無いかと模索し、カメラを手に渡航を決心した初めての自然災害地だった。
現地を訪れる事と、自宅にいてメディアや外部から話しを聞く事の印象の違いに、大きな大きなギャップがあるという事を学んだ。

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