伊勢祥延 の「Calendar Photoの追憶」14

2008カレンダー Inner Soul 6月

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南米ボリビアの街サンタクルス

朝早く、近くの食堂に行くと、店の主の娘らしき少女が学校の宿題に取り組んでいた。

僕はなんとなく少女を横目で見てメシをがつがつほうりこむ。すると急に窓から斜めに美しいオレンジ色の光がピンポイントで少女を照らした。まるで絵画のような情景が暗く陰気くさい食堂に突然出現した!この一瞬が勝負!

カメラマンというのは忙しく、何時何時でもシュートできる臨戦態勢を怠れない。
なぜなら、まさにこんな時にすかさず動き、獣に矢を浴びせるがごとくシャッターを切りまくらなければならないからだ。

見知らぬ外人のおっさんが、メシを口にほおばりながら、前後左右に動き回ったかと思うと、猫がネズミでも狙うかのようにすり足で歩を詰めレンズを向けてくる、、、少女としては一体何が起きたのかと狐につままれたような気分だろう!

その間僅か2、3分、美しい光は消え去り、元の薄暗く陰気くさい食堂にもどった。しかし僕の心は明るく輝いていた。言うまでもなく渾身のショットをつかみ取った手応えがあったからだ。それがこの写真、サンタクルス滞在中のベストショット。
残念だったのが、スペイン語で内容は分からないが、この直後、少女が母親に怒鳴られて半べそかきながら学校に行った事だ、、。

母さんは自分の写真を撮ってもらえなかったから、かわいい娘にやきもちでもやいたのだろうか?ちなみにこの少女お母さんは南米の主婦にありがちなビックママで僕のフォーカスのテイストではなかった、、。

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