伊勢祥延 の「Calendar Photoの追憶」17

2008カレンダー Inner Soul 9月

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アラビア半島の先端、紅海沿いの浜辺にある村を訪れた。対岸がアフリカのソマリアになる。これは早朝の6時、比較的暑くない時間帯に家畜を遊牧する。ヤギなどの小動物の世話は、こうした子ども達の仕事である。

この辺の日中の暑さと来たら暑いの熱くないのって、これほど暑い思いをした事は後にも前にも、人生でこの時をおいて他に無い。
チャーターした古いランクルは当然冷房なんて壊れてる。移動中は全開の窓からはゴーオオオという音と共に痛い程の風圧を全身に受ける。気温45度以上での車内入って来る風はまるで数十台の業務用ヘア–ドライヤーにさらされてる感じといってもけっして大袈裟じゃない!!だからといって窓を閉めたら灼熱地獄がはじまる。

この写真を撮影した前日の昼頃、近く海岸の村に到着した。ナツメヤシに囲まれた、のどかでピーススフルな海岸の村だが、そこで地獄の様な暑さが待っていた。
いたたまれなく海岸へ行き海に飛び込む。遠浅でペパーミントブルーの美しいビーチ、そうあの「紅海を航海して後悔した」のあの紅海である。そしてほんとうに後悔した(笑)暑さから逃げたはずの海の水温はまるで温泉のように熱く感じた!時には気温50度を超える様な土地、海水も浅瀬ではほとんどお湯なのである。まさに地上も地獄、水中も地獄、、。

バンガロータイプの宿には、天井から気休めの扇風機がゴロゴロと揺れながら最速で回転してる。
その夜の11時ごろ突然停電!というか、使用時間終了。こういう国のカントリーサイドではよくある、電気の供給時間が決まってるのだ。それにしても何の前触れも無く、いきなりのブラックアウト!同時にやって来たのは、漆黒の闇の世界。
全く何も見えない、子どものころ押し入れに閉じ込められた時みたいな、目を明けても閉めても変わらない一点の光も無い闇の世界だ。その闇が気温45度の中で私を包み込む。気やすめの扇風機は止りあたりは無音、、、、。恐怖とパニックが我を襲った、、、、他人事のようだが、そんなとき人はどんな現象が起きるのか?
なんと私は外に飛び出し全力疾走で走り出したい衝動に駆られたのだ!しかしわかっていた、もしそれをやったら脱水症状で死ぬだろう。
以前プロのスキューバダイバーでも、口での呼吸が苦しくなり水中でマスクもマウスピースも外し鼻で息をする、そんな自殺行為な衝動に駆られる時があると聞いたが、それと似ている。

私は必死に自分に問うた、「おちつけ、おちつけ、まずは明かりだ」そして闇の中ゆっくりと手探りでリュックを開け、中から懐中電灯を取り出した。明かりを見た瞬間、気持ちが落ち着き出した。
次はこの灼熱地獄の回避だ、そうだ水シャワーだ!
外の離れにあるシャワールームにゆっくりと移動し、天井のホースの様な蛇口からちょろちょろと落ちる水を頭上から浴びると出て来た水はお湯だった。こんな土地で温水シャワーなんてあるはずは無い、厳密に言うとお湯の様な水だ!日中45度以上もあるのでお湯のように暖まってるのだ、地盤が堅いせいか配水管も深く掘られていないのだろう。

日中の海と同じで、暑さから逃げてお湯を浴びる体感は、はっきり言って拷問に近い。

ヒエエエエ~とすかさずシャワー室を後にし海辺の風に当たろうとビーチへ、、、しかし、、、、完全無風、、、、ヤシの木に設置してあったハンモックに横たわり深夜のビーチで必死にこらえるしか無かった。

その後、深夜3時を回った頃、かすかに風が出だした。一日の最低気温の時間帯と相まってか、明るくなるまでの数時間そのままハンモックの上で睡眠についたのだった。

写真と関係ないようですねw

事務局員紹介 仏陀バンクプロジェクトリーダー 伊勢祥延(いせよしのぶ)

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