米銀行プロジェクト

◆背景:2002年カンボジア西部バッタンバン州において発生した飢餓問題への緊急支援要請があり、日本の仏教徒による20トンの米の緊急支援を実施したのがはじまり。翌2003年には現地で被災した村人が仏教僧らと共に米銀行組合を立ち上げ、貧困と闘いつつ飢餓を招かない将来的な自立を目指し米銀行プロジェクトが開始されました。

 

◆運営としくみ:代表、副代表、事務局、会計の4役を中心に米銀行組合を組織。会議により決定した規約に従い、組合で種もみを管理し貸付けを実施。収穫後は貸付けた米に20%の利息米を加え返納されます。

返納された利息米は新規会員の初回種もみや緊急備蓄米として住民に供与される他、道路整備や井戸、トイレの設営など村内の設備投資に充てられるなど、その都度話し合いにより組合で決定されます。

 

・  タグネン村米銀行(バッタンバン州)

2004年開始(雨期米)、10期目211家族(25グループ)参加

収穫65,800kg 利息米13,160kg

600家族が住む村内には280個のトイレ、11基の井戸(うち1基は2006年CSが寄贈)228個の水タンクなどが整備され、雨期になると水没していた道路も米銀行の利息米から得た利益で整備されました。

近々もう一つの道路も整備する予定とのこと。

 

・  プレイプリエル村米銀行(バッタンバン州)

2009年にタグネン村米銀行から独立して設立、2010年開始(雨期米)

3期目45家族参加。収穫6,000kg

タグネン村よりずっと規模は小さいものの順調に参加者が増えており、来期は隣のオーソラパン村からも参加する予定だそうです。

利息米と種もみの保管場所として現在は米銀行リーダーの自宅にある米蔵が使われていますが、それでは収量が間に合わなくなるため新しい米蔵を建設したいとのこと。

・  スレイプレイ村米銀行(コンポンチュナン州)

2011年開始(乾期米)、3期目32家族参加。収穫4,000kg

カンボジア土着のイスラム少数民族の村。周辺のクメール族の村から孤立した形で成り立っており、住民の結束は堅い。牛や鶏を飼い、井戸も自力で掘るなど随所に工夫の跡が見られ、とても秩序と清潔感がある村です。

ここでも増加する参加者の利息米と種もみを収納する米蔵が必要とのこと。

・  トロッペアンウェイン村米銀行(コンポンスプー州)

2011年開始(雨期米)、2期目50家族(8グループ)参加。収穫8,625kg

この村は仏陀の池4の建設地でもあり、水が豊かで人々の生活も安定しているようです。ただ1期目に投入した特別な品種の種もみが、2期目ではすでに劣化が見られ収量も減っているのが懸案になっています。

・  スヌール村米銀行(コンポンスプー州)

2013年6月開始(雨期米)、96家族参加

トロッペアンウェイン村に隣接した村で開始された新規米銀行で、種もみにはカンボジア原種のものを使い、これを保持育成するパイロットプロジェクトとして開設されました。品種を落とさず最もカンボジアの風土に適した強い米を育成し、これを他の村の米銀行でも流通させることを目的としています。

Snul Vill.Rice bank

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