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この日はバングラデシュで最初のBOB開設の地であるバンダルボンの、ラズビラに行く予定。
が、
担当者から連絡が入り、明日に変更したいと言う。理由は、食中毒が発生し一人死亡2人が重体、村全体が大騒ぎ、葬儀で手が回らないらしい。
ところで「ホラタル」のおかげでスケジュールがくるったため、パミッションの滞在期限が明日で最後になってしまった。なので新たにパミッションの申請を行い4日間延長する。役所への理由もそのまんまホラダン(ストライキ)で何もできないから。
時間ができたのでアウンのエコプロジェクトの活動や建設中のネパール式冷蔵庫正月のイベント水かけ祭りにでかけた。
1、エコプロジェクトが建設中のエネルギーを使わないネパール式保存用冷蔵庫
2、水掛祭り
3、水掛祭り2
4、正月のパレード
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ラズビラ村訪問。
昨年2012年6月の状況
初年度の原資81.000タカ 翌2011年追加12.000タカ 計93.000タカに利息(寄付)のプラスが20.000
バンダルバン市からバイクで一時間程、昨年は、地元ウーパンダ僧がほとんど関わらなかった事や、アウンも忙しく、まめには訪問できなかったこともあり返済が遅れている者や、集金や催促をしないと返済しない受益者もいて、良い状況では無かった。
だが昨年は、日本から上川さんの訪問及び、この寺出身でビックになって凱旋したバングシャ僧の説教が効いたのか、飛躍的な成果が出ていた。
原資はすべて返金され、スタート時、受益者は10人だったが、この一年間22人が新たに受益者となり、トータルで40人になっていた。9割が女性でターメリックや生姜などの野菜の栽培である。
5、ラズビラ村でのミーティング
一年間の返済がトータル111.000タカ 、コミッションが8.000タカで一人平均500タカ。
セービング(会費)一人年220タカ
この場で2人5.000づつの貸し出しを行った。
6、ラズビラ村の受益者
昨年決めたルールにもとづき問題なく返済の終わった人は、委員会の判断で再度借りる申し込みができる。
村は大きく500家族ある。従って借りたい人増えている現状と良い成果を尊重し、来年は無いとの条件と、自分たちで守り増やすことをお願いして、25.000タカの追加を決定。原資は、この時点でトータル118.000タカである。
追加資金も合わせ、それぞれ7.000タカ5名への貸し出しが、この場で行われた。
7、ラズビラ村の新規受益者
来年、役員を入れ替えること、又可能なら月に一度の日程を決め協議及び貸出し、返済の日を決めることを提案して村をあとにした。
8、ラズビラ村の受益者と記念撮影
夕方バンダルバンにもどると、パミッションの延長手続きで大きなミスがあった事が判明。申請に提出したビザのコピーが昨年のものだったのだ!
エコのスタッフとあわてて閉館ギリギリの役所に駆け込み、何とか翌朝発行してもらうことになった。危うく不法滞在になることに、、、。
この日ラズビラ村滞在中、物凄い音の雷と雷雨さらに突風が吹き荒れた。ちょうどBOBのミーティングの最中である。暫くすると小雨は降ってるもの嘘のような穏やかな天候になったのだが、帰り道には、幾つもの木が突風で倒れていた。
夜アウンがやってきて今日の突風でバンダルバン県内の、あるトンチョンガ族の村で、10数件の家屋の屋根が吹っ飛んだと言う!
この村とは別の話だが、先月3月30日、あるマルマ族の村が、深夜何者かに放火され19件が全焼した。住民はアウンのエコプロジェクトに助けを求め、エコプロジェクトではアウンの支持で、一軒に付き3.000タカ、総額57.000タカを寄付した。
同じようにこのトンチョンガ族の村人も、アウンに助けを求めて来たらしく、対応に困っている。僕は、いよいよCSの出番とふんだ。もとより僕がここに来た理由は、緊急支援なのだから。
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朝、シンガポールから帰国したばかりのバングシャ僧と会い、孤児院への寄付(ベット代)を渡した。
9、支援金を受け取るバングシャ僧
そのあと、前日に突風の被害にあったトンチョンガ族の村を訪ねた。被害は広範囲で村以外でも途中幾つかの屋根の吹き飛んだ家屋を見た。
が、到着して確認すると大きなダメージは少なく、特に貧しく粗末な家以外は、自力で修復できそうだ。支援金をだす事も考えていたのだが、村自体の生活能力の高さと、他からのソースが当てにできる村であること。従ってBOBの可能性は低く、今後のCSとの関わりが難しいなど、言い方は悪いが、支援するには魅力がない。前回のラム地区緊急支援の例もありCSからの支援はとりあえず棚上げにした。
10、突風の被害にあったトンチョンガ族の家屋
12、突風の被害にあったトンチョンガ族の家屋3
午後からはBOBショップのメンバーと懇談。アウンのオフィスにBOBショップのオーナー、4人のうち3人が集まった。
13、CSショップオーナー達とミーティング
これについて、昨年スタートを手がけたアウンによる、報告の概要は下記のとうりである。
BOB ショップ 2012年 6月スタート時
1.Wholesale shop 100.000
2.Green vegetable shop 30.000
3.Green vegetable shop (by road side) 15.000
4.Tea stall with snacks shop 40.000
計 185.000
アウンが5.000プラスして総額は190.000。No.3の15.000を20.000に追加
1・ 卸問屋 100.000タカの店は、米の仕入れ販売の専門店となった。バンダルバン市のメインストリートに位置し、マルマ族のMongsanu Marma モンシャヌウ・マルマさんが運営する。
主にジュマ(エスニック)の農家が、米を持ち込み、売り買いが行われている。その場で現金取引され、他より高く売ることが出来、他より安く買える。同じジュマ族どうしと言うこともあり、言葉の壁の心配もなく、気軽に利用出来きて喜ばれている。訪問した日はマーケットの開かれる日とあって、遠くから米を持ち込むジュマの人たちが頻繁に出入りしていた。
14、米の仕入れ販売の専門店
15、モンシャヌウ・マルマさん
2・野菜屋さん30.000タカは、Uthuaisa Marma ウツエンサマルマさんが運営。
メインストリートから脇道に入ったマーケットの開かれている道端に、畳一畳半ほどのスペースを確保して野菜の販売。
16、ウツエンサマルマさんの野菜屋
3. 同じく野菜屋さんの15.000タカは、当初と予定してたオーナーKumurung Marmaさんの、奥さんが、20日後に亡くなり、キャンセルを余儀なくされた。 別の人に移行され アウンにより5.000タカ追加されthwinuching ツワイヌンチン さんが始める事になった。
この日は欠席
4. お茶とお菓子の店の40.000タカは、Chonumang Marma チョウモングさん夫婦により開店。
ロケーションはアウンの運営するエコデベロップメントの真向かいにあり、60人いるスタッフが利用できていて双方に利益があるという。しかし商品の品薄が気になる。聞くところによると子供の学費や親の病院代で、仕入れるお金がないとか、、。今後増える予定と言っているが、収入源はそれだけなので、指導改善が必要と感じた。
17、チョウモングさん夫婦の、お茶とお菓子の店
全BOBショップを管轄するのは、アウンの運営するエコデベロップメントのスタッフでMongnhwaycsing モーノエンチングさん。
地域でも信頼が暑くこの手の仕事の経験と知識が豊富な人物だ。アウン曰く彼がいないとCSショップのオブザーブは難しいという。
18、CSショップの総括をするエコのスタッフ モーノエンチングさん
19、バンダルバン市の全BOBショップメンバー
BOBショップのシステムは2年払いで、現在まで10ケ月、総額で65.000タカの返金がある。
その予算を基に5軒目、新たなCSショップが数日前、バンダルバンから20キロのバクマラバザマラ村に誕生した。オーナーのキャスアツエンさんは、全て手作りで店を作り、少ない予算で開店出来たらしい。
アウンの粋な計らいで僕の訪問に合わせCSショップの看板を制作。この日に合わせて設置を行った。スタッフで話しあってここイスラム教国家バングラデシュでのBOBという名は、閉鎖的イメージになりかねない。ということでCSショップに変更を決めたそうだ。
これはとてもただし判断と僕も賛成。CSの各国でも統一することを提案します。
20、バクマラバザマラ村に誕生した新たなCSショップ
(CSSとはCSショップの意味だ)
チッタゴン丘陵地帯では屋根の付いたお店は、ほとんどがあとから政府の支援でやってきた入植者である。したがってジュマの人々はすべての部門で売り買いに不利な立場におかれている。それを解消するのがCSショップなのである。
特に部族の村人が、飼育したり、収穫した品物を、正しい価格で品仕入れ正しい価格で販売するという条件で、お金の貸し出し、お店を持つチャンスを与えるのが、CSショップ構想である。そうすることで公平なウインウインの関係を作り出す。
アウンはNGOの長い経験の中でもCSショップのようなプロジェクトは前例がなく、彼個人としても非常に興味があり、CSと関わることで得たひとつの利益と捉えてくれている。
そんなこともあって、成功させるためには、まずは自分の目の届くところで展開する事、また信頼のおけるスタッフで、相応の能力が必須と考え、バンダルバン地区に集中させた。そこで芽が開けば、必然的に方々に広げられると考えている。
夕方、あるとても貧しいマルマ族のゴダバラ村に行った。街から近いところに30世帯。「村人はその日暮らしで未来がない。」と語った。
アウンは、「伊勢にこの村を見せたかった。」と言い、CSのセカヘイなどでプレゼンきるように写真をとって欲しいと言われ、そのリクエストに答え撮影をした。
21、貧しいマルマ族のゴダバラ村
22、貧しいマルマ族のゴダバラ村2
23、貧しいマルマ族のゴダバラ村3
24、貧しいマルマ族のゴダバラ村4
アウンが語るには、こんな村がバンダルバン県には無数にあり、全ては教育を受ける機会がないことに原因があると言う。いずれBOBを始めたいがどうやって彼らに理解させたらいいか考えが浮かばないという。
まずは、関係を深めることから始めるしかないと語る、、。
25、ゴダバラ村 車窓から
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ラガマテ州ラジャストリ地区、マルマ族のナランギリボリバラ村に向かった。
アウン、ス・ラン、バングシャ僧の4人でバンダルバンを出発。ラジャストリから4DWのトラックに乗り変え、獣道に毛の履いたような悪路、激しいアップダウン繰り返し、ようやく村に到着。
昨年は時間と天候のせいで訪問出来ず村人とラジャストリの寺で会談した。今回も天候と道のコンデション次第だったが2年ぶりに訪問することができた。
ス・ランとアウンは初めての訪問だがバングシャ僧は若い時ラジャストリで修行している事もあり馴染みがある。彼の説教は、昨年のラズビラ村で随分と効果があったので、ここでも無理をして同行してもらった。
お寺では、CSメンバーでこの地域のBOBを担当するスノモジュテ僧及び受益者20人ほどが集まってくれた。
昨年スノモジュテ僧に、BOB運営にもっと積極的に関わるようにお願いしていた。またアウンも頻繁に連絡をとった。その成果あって、飛躍的な成果をを出していた。
26、30年前のトヨタ4WD
27、30年前のトヨタ4WD 乗り心地最悪の車内
28、ラガマテ州ラジャストリ地区ランギリボリバラ村
29、2013年度ランギリボリバラ村でのミーティング
2012年度報告、
ナランギリボリバラ 2010年度 69.000 12人、69.000タカの原資 ー 12名に貸し出し ー一年後全員が一括返済 10%のブッセー 新たに一名追加し13名で継続、2012年、増資 10.000、原資総額79.000
2013年度現在 8カ月で、93.500タカの返金、女性も数人含め合計35人の受益者になった。コミッション14.500タカである。
2ヶ月後の7月は、収穫の時期なので125.000タカになる見込みである。決まっていなかったセービング(雑費)は月10タカと、この場で決定した。代表はサーオンプールさん、秘書のプーツインチングさん他3人の役員によって運営。村人は99%が農家で、コメや野菜、果物の栽培に当てられている。
もう一つの大きな議題はCSショップ構想である。昨年も報告した様に、村は山奥にあり孤立していて、交通手段は歩きのみ。
従って収穫された作物は、近くの町まで往復約3時間近くかけて、売りにいかなければいけない。朝早く出て昼過ぎには村に戻らなければいけない。なので時間と労力を消耗するだけではなく、売り場を持たないため市場で(ほとんどはベンガル人)値段をで安く叩かれるという不公平な現実があり、暮らすだけが精一杯という厳しい現状を強いられている。
そもそもCSショップ構想はこんな地域のために存在する。なかなか実行に移せない原因として、いちばんの問題は商売の経験やノウハウが全くないことにある。
そこで話し合い、提案されたのが、もし実行するならCSショップ自体は完全無利益の形を取り、諸経費以外は利用者には要求しないやり方をとる。それを可能にするにはスノモジュテ僧侶がマネジメントすることにあるという。
一週間リサーチをして、村でいろんなやり方などを検討を重ね、答えを出すことになった。
何事も失敗を恐れず勇気を持って実行して欲しい。どんな優れたプロジェクトもその気持ちがなければ成功しない。村の繁栄もないと伝えると、みな目の色を変え真剣に考えようという空気が伝わってきた。
30、BOB担当秘書のプーツインチングさん(右から2番目)
BOBの話にもどる、ここは100家族以上の村。まだ三割ほどしかまだBOBに参加できていない。村人は、もっと多くの人に利用させたいと言う。遠回しに追加金を期待しているようだ。
CSショップを始めるとしたら予算はそちらにだけしか回せないこと、またBOBは始めた村が運営し自分たちで増やしていくものなので基本的に追加はないことを理解してください。ただ状況によっては検討します。と伝えた。
31、スノモジュテ僧と、バングシャ僧のツーショット
32、バングシャ僧の説教
33、小僧達
現在村は建ってから35年の寺を老朽化のため、高台に移動し新しく建てる計画がある。土地だけは確保されていた。
さらに小学校を作ろうとしていて、着工はしているのだがトタンを貼り合わせただけのお粗末なもので、強風が来たらぶっ飛びそうだ。
34、新しい寺と学校の建設予定地
最近あるシンガポール人の若い女性が個人的に、飲料水用の給水タンクが提供設置されていた。以前津波のあったスリランカで被災者のために設置されていたものに似ていた。
35、飲料水用の給水タンク
36、ナランギリボリバラの寺院と受益者
この村の現実は厳しいが、遠くに孤立しているせいか、寺を中心に人々の繋がりと結束は強く、それが成功と広がりの可能性を秘めていると感じる。
午後3時、アウンの運営するエコ・デベロップメントのオフィスで、インド、ブッタガヤからやってきたマルマ族の二人の僧侶と面談した。インドでBOBを始める構想を実現するため、アウンの手ほどきでセッティグしたのである。名前は naga vams ナガバムス僧、ビルマで僧侶の修行をし、インド、ビルマのアラカン族、バングラデシュのマルマ族というトライアングルでソリダリティーを構築するという理念の元、それぞれの地域を頻繁に行き来している。
インドのブッタガヤにあるマルマの寺院を拠点とするNGOの活動家で、数カ国語を話す。もう一人の僧はこの組織の代表で、バンダルバンに住んでいる。
昨年からこの僧の存在を聞いていた僕及び上川さんは、BOBをインドで始めること及びCSに招き入れることを模索してした。まずは、会うことである。幸運にもそれが実現した。その日がこんなに早くやって来るとは思っていなかった。ぼくは可能なら2013年のセカヘイにプレゼンターとして参加を願った。彼は快く引き受けてくれた。そして彼はこう付け加えてきた。こういうことは、そちらの事情もあるでしょうからCSとしてじっくり検討してもらって結構です。その上で招集されれば喜んで参加します。軽率にこちらから参加表明して、ギリギリに変更なんてことが、いちばん良くないですからと言い、まず知り合ったことが大切と語った。
とても頭の回転が早く頭脳明晰、フットワークが軽い印象を受けた。
37、インドから来たnaga vams ナガバムス僧(左)と組織の代表